認可外(無認可)保育園はブラックなのか?ーまとめ
順番は前後してしまいますが、その①、その②で書いた事例を元に、
改めて認可保育園と認可外(無認可)保育園についてまとめてみたいと思います。
認可保育園とは
児童福祉法で定められた基準(施設の広さ、職員の数、防災・衛生管理など)を満たし、都道府県知事に認可された保育施設。
入園手続きや保育料の支払いは、自治体を通して行います。
保護者の就業状況や、保育環境、納税額など、自治体が定める細かな基準で入園の可否と保育料が決められ、認可外(無認可)に比べ、比較的安い料金設定になっています。
▼参考
認可外(無認可)保育園とは
国が定めた認可基準を満たさない保育園のこと。
各保育園が定めた入園基準に従って、入園可否が決まり、各保育園が定めた保育料を、保育園に直接支払います。
※料金は、保護者の就業状況、保育環境や納税額に関係なく一律であることが多い。
また、認可保育園には、事故が起こった時、報告する義務がありますが、
認可外(無認可)保育園には義務付けられていません。
▼参考
※認可外の方が事故報告件数が少ないのは、報告義務がないため。
実際のところ、昨年保育施設で発生した死亡事故の7割が認可外(無認可)で起きているそうです。
とはいえ、福祉保健局は、認可外(無認可)を放置しているというわけではありません。立入調査を行っており、その結果をHPで公表しています。
認可外保育施設(ベビーホテル等)立入調査結果 東京都福祉保健局
保育施設で安全の基準がある程度満たされて無ければ、事故率が高くなるのは当然のことでしょう。
では、どこの認可外(無認可)保育園でも事故は発生しやすいのか?
必ずしもそうとは言えないのでは?と思います。
私の考えを ちょっと噛み砕いて説明すると、
認可保育園は、飲食店でいうならば、
「大手チェーン店」・・・本社が作った(児童福祉法に基づいた)マニュアルがある
認可外(無認可)保育園は、
「個人商店」・・・マニュアルがお店ごとにある
です。
要は、認可外(無認可)保育園では、本部のマニュアルがないので、
ブラック運営しようと思えばできなくはないですし、
逆に、認可保育園よりも優れたサービスを提供しようと思えば、それも可能。
個人商店には、接客が丁寧で、また来たくなるお店もあれば、
もう二度と来ない!と言いたくなるお店があるのと一緒で、
こだわりと情熱をもった素晴らしい園もあれば、
監視する本部や丁寧なマニュアルがないため、ブラック保育園になっているところもあるのだと思います。
つまり、優れた認可外(無認可)保育園に出会うには、とにかく見学が必須ということです。
私が見学した認可外(無認可)の保育園は、
その①では、病気の時にすぐには迎えに行けない保護者のために、
その②では、障害児預かり
というセーフティネットの役割を果たしている施設でした。
対策や方針などもしっかりしていました。
また、認可保育園を運営している大手保育施設でも、
あえて認可外の施設を設けて、深夜預かりをしているところもありました。
では、どうすれば安全な保育園を見極められるのか?
認可・認可外(無認可)合わせて約30施設ほど見学して私がたどり着いた方法はこれでした。
1.認可保育園を見学する
2.認可外(無認可)保育園を見学する
3.認可外(無認可)保育園にあえて聞きにくい質問をしてみる
4.認可保育園と同じ質問をしてみる
5.違和感を感じたら、入園希望園の採用情報や転職口コミサイトで裏取りをしてみる
1.認可保育園を見学する
比較対象が無ければ施設の良し悪しを判断することはできません。
児童福祉法で定められた規則を守っている施設とはどんなところなのか?
保育のスタンダードを実際に体感してみましょう。
2.認可外(無認可)保育園を見学する
安全の面で、認可保育園の基準をクリアできているのかを確かめましょう。
3.認可外(無認可)保育園にあえて聞きにくい質問をしてみる
こちらの心配事をストレートにぶつけると、施設の人にとっては嫌な質問になってしまうことがほとんどです。人間ですから、嫌だなと感じることはあるでしょうが、大切な子供を預かるスタッフの人柄を見るためにも聞いてみましょう。
子供のケンカや怪我など、入園後はトラブルが付きもの。のちのち預けた時に、きっとこういった質問をした時と同じ態度をとられることでしょう。
私は、この質問をしました。
「認可保育園の基準の中で満たしてない項目は?」
(聞かれたら嫌だろうな…とは思います。)
また、その②の施設には、デイサービスのお年寄りの要介護度を聞きました。
利用者さんがいらっしゃったので、小声でですが、誠実に答えてくださいました。
4.認可保育園と同じ質問をしてみる
1.2.同様、認可と認可外(無認可)の回答を比較してみてください。
認可より信頼出来る回答が得られれば、安全な園と言えるでしょう。
私は、この質問をしました。
「感染症の対策で行っていることは?」
5.違和感を感じたら、入園希望園の採用情報や転職口コミサイトで裏取りをしてみる
ここで誤解しないで欲しいのが、
ブラックな施設というのは、何も”悪徳”という意味ではありません。
大切に園児達を保育していても、不慮の事故は起こります。
事故を起こしやすい施設は、マニュアルがしっかりしていないことの他に、
保育スタッフが日々の業務に追われて疲弊しているということがあげられます。
実際に、その②で紹介したように、認可保育園をいくつも運営している某大手保育施設では、感染症対策の回答が曖昧だった上に、とんでもなく大勢の一斉見学で、帰り際には、早く退出するように促されるほどでした。
同じ系列の違う園でも見学をしましたが、電話口で園長がとても忙しそうにしていて、見学の日程候補を出すのに時間がかかり、実際に見学に行った時もせわしなく、そわそわしているのが伝わってきました。人柄は良さそうな人でしたが、常に落ち着きのない様子。
おかしいなと思って、採用情報と転職サイトの口コミをチェックしてみたところ、
「本社の方針は立派だが、現場がついていっていない」
といった旨の口コミがいくつかありました。
一方、保育園の口コミサイトの評判は上々です。
「玄関先で靴を履いたまま子供を受け渡しできるので助かる」
「保育士がとてもよく面倒を見てくれている」
保育園の口コミサイトの情報だけで園の良し悪しを判断しそうになりますが、
見学と求人情報の裏取りは必須です。
「1回の見学で、そこまでわからないだろう」
と思われる方もいるかもしれませんが、それならなおさら、
「1回の見学でわかるほどおかしい」
ところには入れたくないですよね?
それを確かめるためにも、見学は必須なんです。
おすすめ参考書籍
今回、私が保育園を見学するにあたって、事前にこちらの書籍を読みました。
見学するたびにまるで答え合わせをするように、的確なことが書いてあり、納得しました。これから保育園のエントリーをするという方にはオススメの一冊です。
また、先に紹介した
の資料もチェックすることをおすすめします。
おうちでも起こりうる事故があり、いろんな意味で参考になりました。
我が家では、パパにも共有して、夫婦で全てに目を通しました。
かなり長〜くなっちゃいましたが、
これから保活をする人のお役に立てたら幸いです。